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Printing Technology
3D プリンティング技術紹介

シリコーン(Silicone)とシリコン(Silicon)の違い

地球上の元素で2番目に多いのがケイ素(Si)です。自然界には酸素と結合してケイ石(Si02)として存在します。このケイ石から酸素を還元して(取り除いて)金属ケイ素を作ります。金属ケイ素と塩化水素を反応させ合成した三塩化ケイ素を蒸溜精製し、高温で水素還元したものが多結晶シリコンです。これをるつぼで溶かしてゆっくり引き上げながら単結晶シリコンの塊を作ります。この塊をスライスしたものが半導体や太陽電池などの原料として使われます。よくテレビで鏡のように表面がピカピカした円盤状のシリコンウエハーが取り上げられますが、これが単結晶シリコン基板となります。半導体の材料として使う場合は、不純物がほんの少しでも含まれていると使用できないため、いかに純度の高いシリコンを作るかが重要となります。

一方、シリコーン(Silicone)は構造にシロキサン結合(Si-O-Si)を有し、そこに有機物を人工的に結合して作ったものです。ここでいう有機物とは炭素(C)と水素(H)からなる化学物質です。有機物の種類によって、耐熱性や耐水性、耐候性、柔軟性などのシリコーン特有の様々な特性を持つことが可能となります。シリコーン製品には身近なものとして、オイル、ゴム、添加剤などがあります。
電子レンジで使う耐熱容器や歯医者さんで使う型取り剤、建築物の隙間をシールするシール材など身近なところで様々な用途に使用されています。

今回3Dプリンターで造形する材料には、このシリコーン材料を用いています。

シリコーン造形に使われる3Dプリンターの造形方式について

3Dプリンターの造形方式は大まかに7つに分類されています。これは2009年にアメリカのASTMで標準化された分類方式です。次々と新しい原理の造形方式が発明されており、現在ではこの分類に入らないものもありますが、まずは基本となるこの7つの方式をしっかりと理解しておくことが重要です。3Dプリンターと一口に言っても実は2万円から2億円程度まで価格差があったり、造形できる材料や大きさにも大きな違いがあります。

以下にその7つの分類を示します。

ASTMの正式名称 日本語名称 通称
1. Material Extrusion 材料押出法 熱溶解積層法、FDM
2. Vat Photopolymerization 液槽光重合法 光造形法、SLA
3. Sheet Lamination シート積層法
4. Binder Jetting 結合剤噴射法 インクジェット粉末積層法
5. Material Jetting 材料噴射法 インクジェットUV硬化積層法
6. Powder Bed Fusion 粉末床溶融結合法 レーザー焼結積層法、SLS、SLM
7. Directed Energy Deposition 指向性エネルギー堆積法

この中でシリコーン造形に使われている造形方式は①材料押出法、②液槽光重合法、③材料噴射法です。
この3つの造形方式について少し詳しく解説します。結論としては、三つある造形方式の中でも2番目の液槽光重合法が最も優れた造形方法になります。
それではその理由を具体的に解説していきます。

材料押出法(Material Extrusion)

材料押出法の原理図を以下に示します。
この方式は最も広く普及している方式ですが、さらに大きく2つの種類に分かれます。一つ目は加熱すると溶ける樹脂(熱可塑性樹脂)を用いる方法で、線状に加工したフィラメントを加熱し、これを小さなノズルから圧力で押し出して、その場で温度低下により硬化させて造形する方法です。二つ目はゲル状の材料をノズルから圧力で押し出し、加熱、放熱、乾燥または紫外線照射により硬化させながら立体状に積み重ねていく方法です。シリコーン造形では二つ目の方法が用いられています。ノズルの穴径は一般的に0.3~1mm程度あるため、微細な構造物を造形することは困難です。

液槽光重合法(Vat Photopolymerization)

液槽光重合法の原理図を以下に示します。
液槽光重合法は紫外線を照射することで硬化する材料を用いて、選択的に(固まらせたい部分のみに)紫外線を照射し、液状から固体状に相変化させることにより構造物を作っていく方法です。紫外線を照射する領域を小さくすればするほど微細な構造物が作れます。この紫外線の最小照射領域(スポット)(分解能)は0.1 mm以下にすることもできるため、3つの方式の中では最も微細なものが造形できます。

材料噴射法(Material Jetting)

材料噴射法の原理図を以下に示します。
ここで使われている技術は、身近なインクジェットプリンターに使われている技術です。インクジェット技術とは、ヘッドと呼ばれる小さなノズル(20~50 μm)が多数形成されたアクチュエータからインクを1滴ずつ吐出させて、これを並べることによって文字や画像を印刷する技術です。3D造形をする際には一般の家庭やオフィスで使われている水性インクに代えて、紫外線を照射すると固まるインクが使われています。小さな液滴を構造体を形成する部分に噴射し、その直後に紫外線を照射して固めていきます。これを高さ方向に繰り返すことにより3D構造物を構築します。小さなノズルから液を噴射するため、粘度の高い液は扱えません。従って、純粋にシリコーン材料だけを使って造形することは難しく、モノマーなどの添加材を加えた材料での造形になります。そのため、「リアル(本物の)シリコーン」ではなく「シリコーンライク」となり、生体適合性や耐薬品性などの物性はリアルシリコーンより劣ります。

3Dプリンターによる各種シリコーン造形について

これらの3つの方式の特徴を以下に示します。

造形方式 造形精度 造形速度 リアルシリコーン対応
①材料押出法 × ◎ ◎
②液槽光重合法 ◎ 〇 ◎
③材料噴射法 △ 〇 ×

それぞれ一長一短がありますが、それを詳しく解説します。
造形精度については、②の液槽光重合法が最も優れています。それは①の方式は②や③の方式と比べて材料を押し出すノズル径が0.3~1 mmと大きいため、高精細な造形物がつくれません。③の材料噴射法がインクを噴射するノズルが20~50 μmと小さくて一見良さそうに見えますが、小さなノズルから噴射された紫外線硬化材料は平面に着滴したあとに、広がって数百μmになります。しかし②の液槽光重合法は、光の硬化最小スポット径が50 μm程度と小さく、このスポット径が最小分解能になるため、最も高精細な造形物が作れます。
造形速度については①の材料押出法が最も速くなります。材料を押し出すノズル径が大きいため、単位時間に押し出される材料も多く、高さ方向に積層するスピードが速くなります。その分積層ピッチが大きくなるため、表面の凹凸も大きく、積層痕がはっきりと残ります。
なお、リアルシリコーンとは、材料がシリコーン材料のみからなるものを指します。シリコーンライクというのは2つの意味があります。一つ目の意味は、材料はシリコーンではないがシリコーンのような柔軟性や弾性を示す材料からなる場合を指します。この場合、柔軟性や弾性はリアルシリコーンに似た特性を示しますが、シリコーン特有の耐熱性や耐水性、耐光性といった特徴が犠牲になります。二つ目の意味は、シリコーン材料にシリコーン材料以外の材料が混ざっているものを指します。この場合、柔軟性や弾性に加えて、ある程度の耐熱性や耐水性、耐光性を得られますが、重要な特性が犠牲になる場合があります。その犠牲になる特性とは、例えば生体(人体)適合性です。

これらを総合すると、シリコーン特有の耐熱性や耐水性、耐光性、生体適合性といった特徴を有しながら高精細なものが作れるのが②の液槽光重合法です。

この②がまさに3DRIが造形サービスを提供する、液槽光重合法による高精度、生体(人体)適合性を実現する画期的な造形サービスです。

しかしこれはなぜ他社のサービスにはないのでしょうか?
それは紫外線で硬化するシリコーン材料の開発に秘密があります。
本サービスの材料はスイスにあるスイス連邦工科大学の研究室で長年にわたって研究され開発された特殊な材料で、門外不出の材料になります。

生体(人体)適合シリコーンについて

生体適合性材料と一口に言ってもその適合度合いは様々です。人体と接触する場合の適合性もあれば、人体の中に埋め込んで長期間にわたって接触する場合の適合性もあります。シリコーンはもともと生体適合性の高い材料ですが、これに他の材料を混ぜると、この適合性は失われます。これは前述のリアルシリコーンとシリコーンライクのところでお話ししました。生体適合性にもグレードがありますが、より上位のグレードでは材料に微量に含まれている不純物等が厳しく管理されています。このグレードの認証を取るには材料の高度な精製や高度な品質管理が求められます。また、申請にかかる費用もかなり高額なため、ある一定レベル以上のビジネス規模が必要です。今回3DRIのサービスで使われている生体適合性シリコーン材料は二つの認証をパスしています。それはISO DIN EN 10993-5とISO DIN EN 10993-10になります。これらの認証では、人体の表皮部分に直に接触する部位での使用に関しては問題ありませんが、人体の中に長期間設置されるような使い方は保証されていません。

シリコーンが人体とボディウェアをつなぐ最適な材料である理由

眼鏡やイヤホン、グリップ、エピテーゼ*1など人体に直接触れる部分で使われるパーツにとって重要なポイントが3つあります。一つ目は人それぞれが異なっている各部位の外形形状に沿った正確な形状が再現されること。二つ目は接触部位にて生体適合性があり、アレルギー反応などを引き起こさないこと。三つ目は人体とボディウェアの間に組み込まれていながら、その存在を忘れるほどに人肌になじむ柔軟性や耐久性を備えていることです。
この3つ全てを満たしているのが、今回ご提供する生体適合性のあるリアルシリコーン材料を用いた液槽光造形法によるシリコーンの造形サービスです。

*1 エピテーゼとは、怪我、腫瘍、先天的な理由で欠損や変形が生じた身体の一部を補うための人工ボディパーツのことです。

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